堀道広 旧仕事、日常、金継ぎ部、駄文、記録用。
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西麻布の桃居で、新宮州三さんの木工展を見た。
木と漆で作った盆や台や箱は「刳りもの」で、一本の木から削ったり掘ったり、いわゆるくりだした作品で、はっきり言って、作るのに手間がかかる。一日何個もできない仕事だ。
新宮さんの、現在では人間国宝の(某社の肩こりのCMにでてる)師匠が国宝になるかならないかのちょうど境目(人間→人間国宝に・・・)の時に学んだ7年間は、(かつてその人の下でそこまで永く務めた弟子は一人もいないらしい)本当に無給だし、聞いててビックリするくらいに過酷で鼻血を出す日々だったようで、作品のムダな隙のない形からは、古くて良い骨董品のはるか~な歴史を感じさせるような空気感と人間の苦労の痕が、あらわれています。残されている風味はけっしてノミの跡だけではありますまい。
やはり苦労を重ねてぐつぐつ煮込んだ人間のくりだしたモノはそこらのものと格が違う、と感じさせられました。
DMの写真は、大切なものを飾るという「台」ですが、この台だけでも木彫りの仏像を見るような気持ちにもなりました。この台を飾る台も必要になりそうです。
苦労した芸人さんが売れて欲しいと思うように、新宮さんも大いに世の中にくりだして行ってほしいな、と思いました。
展覧会のあとに、新宮さんの叔父さん、というマサ☆アキさんという名の、只者でない、アーティストのアコースティック・ライヴが近くのBARであり、とても面白かったのだが、途中でゲスト出演された森下雄一郎さんという亜細亜人初のプロバスケットボール・プレイヤー兼プロヒップホップ・ミュージシャン(長え)の、「生涯野良」と力強く描かれたチラシが、チラシとしてとても味わい深いものがあったのだけど無くしてしまい、すごく残念だ。
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